費用相場に影響する要因

情シスアウトソーシングの費用相場は、いくつかの要因によって大きく変動します。主な要因は以下の通りです。

業務範囲

依頼する業務の範囲が広がるほど、費用は高くなります。インフラ運用、ヘルプデスク、セキュリティ対策、DX推進支援など、どの業務をどこまで依頼するかによって費用は大きく変わります。

専門性

高度な専門知識やスキルが必要な業務（例：複雑なクラウド環境構築、高度なセキュリティ分析）を依頼する場合、費用は高くなる傾向があります。これは、対応するエンジニアのスキルレベルが料金に反映されるためです。

その他、企業の規模や対応時間も費用に影響します。これらの要因を考慮し、自社に必要なサービス内容と予算を慎重に検討することが重要です。

主な料金体系（月額固定型、従量課金型、成果報酬型など）

情シスアウトソーシングの料金体系は、主に以下の2種類があります。

月額固定型

毎月一定の料金を支払う方式です。メリットは予算計画が立てやすいところです。デメリットは契約範囲を超える場合に追加料金が発生する可能性、業務量が少なくても同額が発生するところになります。システム運用・保守など、業務量が予測しやすい場合に適しています。

従量課金型

アウトソーシングの利用時間や業務量に応じて料金が決まる方式です。メリットは稼働が少なければコストを抑えられる、業務量に合わせた支払いが可能になるところです。デメリットは業務量急増時に費用が高くなる可能性、予算計画が立てにくい点になります。ヘルプデスクなど、業務量に波がある場合に柔軟に対応できます。

スポット依頼と継続依頼での費用の違い

情シスのアウトソーシング費用は、依頼の形式によっても差が出ます。

スポット依頼

突発的なトラブル対応や、一時的なリソース不足を補う場合に利用されます。単発の依頼となるため、一般的に時間単価や作業単価は継続依頼よりも割高になる傾向があります。緊急対応などが含まれる場合は、さらに費用が高くなることもあるでしょう。

継続依頼

システム運用保守、ヘルプデスク業務、IT資産管理など、定常的な業務を継続的に委託する場合です。継続的な契約を結ぶことで、単価が抑えられたり、長期割引が適用されたりするケースが多く見られます。

どちらの形式が適しているかは、依頼したい業務の内容や期間によって異なります。

業務範囲の明確化と優先順位付け

情シスアウトソーシングの費用を抑えるためには、まず依頼したい業務範囲を明確にし、優先順位を付けることが大切です。アウトソーシング可能な業務は多岐にわたります。それぞれの業務内容や範囲によって費用相場は大きく変動します。

• PCのキッティング
• ヘルプデスクサポート
• ネットワーク管理
• バックアップと復旧
• データ分析とレポート

自社にとって本当に必要な業務は何か、どの業務から優先的に外部委託したいのかを具体的に洗い出し、ベンダーと共有することで、無駄のない最適なプランを選択できます。

不要なオプションや過剰なサービスを避ける

過剰なサービスを契約してしまうと、コストが無駄に増加する可能性があります。具体的には、以下の点を考慮しましょう。

サービス内容の精査

• 契約内容に含まれるオプションサービスを確認する
• 自社の規模やIT環境に合わない過剰な機能やサポートが含まれていないか確認する

費用対効果の評価

• 提供されるサービスが、その費用に見合う効果をもたらすかを検討する

このように、契約前にサービス内容をしっかりと確認し、不要なオプションや過剰なサービスを避けることで、コストを効率的に管理することが可能です。

長期契約による割引交渉

情シスアウトソーシングの費用を抑える方法の一つに、長期契約による割引交渉があります。継続的な利用を前提とした長期契約に対して、月額費用や初期費用からの割引を提供している企業もあります。長期契約のメリットは以下の通りです。

コスト削減

単月や短期での契約に比べ、総額での費用を抑えられる可能性があります。

安定したサービス

長期間にわたり同じベンダーからサポートを受けられるため、業務の安定化が期待できます。

関係構築

ベンダーとの信頼関係が構築されやすく、より柔軟な対応や提案を引き出しやすくなります。

ただし、長期契約は途中でサービス内容の変更や解約が難しくなる場合があるため、契約前に業務範囲やサービスレベル（SLA）をしっかりと確認し、自社のニーズに合っているか検討することが大切です。

社内リソースとの連携体制構築

アウトソーシングはセキュリティ対策、IT資産管理、ヘルプデスクなど幅広い業務をカバーできます。これらの外部委託範囲と、社内で引き続き行う業務との間でスムーズな情報共有や連携を確立することで、全体のIT運用効率を高められます。

人件費の最適化

専門知識を持つ情シス担当者を正社員として雇用する場合、採用費、給与、福利厚生費など多額の費用がかかります。アウトソーシングであれば、必要な時に必要な分だけ外部のプロを利用できるため、固定費を変動費化し、総人件費を抑えられます。

運用コストの削減

サーバーやネットワーク機器などのIT資産の管理・保守にかかる費用や、セキュリティ対策、ソフトウェアライセンス管理などの運用コストを専門業者に委託することで効率化が進み、コスト削減につながります。

間接コストの削減

社内での情シス業務にかかる管理工数や、トラブル発生時の対応にかかる時間的コストなども削減できます。これにより、社員はコア業務に集中でき、生産性向上という形で間接的なコスト削減効果も期待できます。

また、外部の専門知識を活用することで、最新技術の導入や業務プロセスの改善が進み、長期的な視点で見るとさらなるコスト削減や事業成長に貢献する導入効果を見込めるでしょう。