人材不足の解消

必要なスキルを持つ担当者がいない、またはリソースが足りない。

属人化の解消

特定の担当者に業務が集中し、引き継ぎやリスク管理が難しい。

業務負荷の軽減

兼任担当者の負担が大きい、または定型業務に追われている。

業務品質の向上

専門的な知識やノウハウが不足している。

メリットだけでなく、デメリットも存在するため、自社の状況に合わせて必要性を慎重に見極めることが大切です。

自社の課題と必要なサービス内容の合致

情シス代行・外注サービスを選定するうえで最も大切なのは、自社の抱える課題と、提供されるサービスの内容が合致しているかを見極めることです。

• 業務の拡大によるリソース不足
• 業務の属人化
• 効率化に取り組むリソースがない
• 一人情シス・ゼロ情シス

これらの課題に対し、外部委託（アウトソース）は有効な解決策となります。しかし、情シス業務の全てを外部に委託することは、ノウハウの喪失や機密情報のリスクにつながる可能性も指摘されています。そのため、まずは自社の具体的な課題を明確にし、どの業務をどの範囲で外部に任せたいのかを整理することが大切です。

対応可能な業務範囲と専門性（技術力）

情シス業務は非常に幅広く、PCサポートやIT機器管理、社内ヘルプデスクといったユーザーサポートから、サーバー・ネットワークの設計・構築・運用保守、さらにはIT戦略の立案まで多岐にわたります。

自社の課題がどの業務範囲にあるのかを明確にし、その業務に特化した、あるいは幅広い範囲に対応可能な専門知識と実績を持つ業者を選定することが大切です。特に、高度な技術や専門知識が必要な業務を依頼する場合は、業者の技術レベルや経験、資格などをしっかり確認する必要があります。

セキュリティ対策の体制・実績

情シス代行・外注サービスを選定するうえで、提供会社のセキュリティ対策の体制や実績は判断基準となります。外注先がどのようなセキュリティ対策を実施しているかを確認しましょう。例えば、以下のような点に注目できます。

24時間体制の監視体制

サーバーやネットワークを常に監視し、異常を検知できるか。

技術的な専門性

高度な知識とスキルを持ち、問題発生時に迅速かつ正確に対応できるか。

CSIRT等、インシデント発生時の対応体制

インシデント発生時の連絡体制や対応フローが明確か、復旧支援の実績はあるか。

委託する業務内容に応じた適切なセキュリティ対策が講じられているか、過去のセキュリティインシデントへの対応実績なども確認し、信頼できるパートナーを選びましょう。

必要な業務範囲・レベルを明確にする

情シス代行・外注でコストを抑えるためには、まず「自社が本当に外注したい業務は何か」「どのレベルのサービスが必要か」を明確にすることが大切です。情報システム部門の業務は多岐にわたり、例えば、以下のような業務が考えられます。

• 社内システムやインフラの構築・運用・メンテナンス
• 社内ヘルプデスク
• セキュリティ対策

これらの業務全てを外部に委託する必要があるのか、あるいは一部の業務を依頼したいのかを具体的にリストアップしましょう。また、必要なサービスレベル（応答時間、対応範囲など）も併せて定義します。過剰なサービスレベルを求めると、その分コストが増加する可能性があるためです。

自社の現状の課題や情シス担当者の負担が大きい業務を洗い出し、優先順位をつけながら外注範囲を絞り込むことで、無駄なコストを削減し、費用対効果を高められます。

一部業務のみをアウトソースする（ハイブリッド運用）

情シス業務全体ではなく、特定の業務のみを外部に委託する「ハイブリッド運用」は、コストを抑える有効な手段です。例えば、以下のような業務はアウトソースに適しています。

定型的な業務

• PCのキッティング（初期設定）
• ヘルプデスク（一次対応など）
• IT資産管理（棚卸しなど）

一時的に業務量が増加する業務

• 新入社員のPCセットアップ
• 大規模なシステムアップデート時の問い合わせ対応

専門性が高く、社内にリソースがない業務

• 高度なセキュリティ対策
• 特定のシステム構築・保守

自社の情シス担当者の負担が大きい業務や、専門知識が必要な業務だけを切り出すことで、コスト効率を高めながら業務品質を維持できます。

SLAの見直し（過剰なサービスレベルはコスト増につながる）

情報システムのアウトソーシングにおいて、コストを最適化するためには、サービスレベル契約（SLA）の内容を見直すことが重要です。SLAは、委託する業務の品質や応答時間などを定義するものですが、過剰に高いサービスレベルを設定すると、その分コストが増加する傾向にあります。契約の明確化は不必要な追加費用を防ぐうえで不可欠であり、SLAもその要素の一つです。例えば、以下のような項目について、本当にそのレベルが必要か検討しましょう。

• システム稼働率
• サポート対応時間
• 問題解決までの目標時間

現状の業務に必要なレベルとSLAの内容が合っているかを確認し、不要に高いレベルになっている場合は、パートナーと交渉して見直しを検討しましょう。これにより、コスト削減につながる可能性があります。